2024年10月03日

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米国特許商標庁(USPTO)における特許期間調整(PTA)計算ソフトのコーディングエラー発生の可能性について

2024925日、米国特許商標庁(USPTO)は、特許期間調整(PTA)期間の計算ソフトにコーディングエラーが発生した可能性があることを発表しました[1]

  

これによると、既にコーディングエラーには対処したとのことですが、2024319日~730日の間に発行された特許PTA期間の計算が誤っている可能性があるとのことです。

  

PTA期間は、「USPTOに起因する審査遅延日数」から、「出願人に起因する審査遅延日数」を差し引くことで計算されます。前者の「USPTOに起因する審査遅延日数」には、USPTOの審査手続の遅れに起因する遅延期間(いわゆる「A Delay)、出願の係属期間が3年を超えて特許が発行された場合の当該3年を超える期間(いわゆる「B Delay」)、及び秘密保持命令、審判・訴訟等の発生による手続の遅延期間(いわゆる「C Delay」)があり、下記式:

USPTOに起因する審査遅延日数=(A Delay+B Delay+C Delay)(A DelayB DelayC Delayの重複日数)

により算出することができます(35USC§154(b)(1)(2))。今回のPTA期間計算ソフトのコーディングエラーは、上記「A Delay」及び「重複日数」の計算に誤りを生じた可能性があるようですが、その他の日数の計算には影響がないとのことです。

  

また、上記対象期間の特許について、USPTOは自らPTA期間を再計算することはなく、あくまで出願人による再計算の申請があった場合のみ対応するとのことです。

  

なお、PTA期間の再計算を申請するには、規則1.705(b)に基づき、特許証発行日より2か月以内にRequest for Reconsiderationを提出することが必要です。この期間は、最大5か月延長可能です(規則1.136(a))。したがって、上記対象期間に発行した特許のうち、最先の2024319日に発行したものについては、再計算の申請をする場合、遅くとも20241019日までに申請する必要があります。