2017年01月27日

日本
特許・実用新案
判例紹介・解説

知財高裁大合議判決・延長登録特許権効力

要約:知的財産高等裁判所(知財高裁)は、通算11件目の大合議案件である平成28年(ネ)第10046号特許権侵害差止請求控訴事件について、2017年1月20日に大合議による判決を下しました。本事件は医薬品の承認申請(政令処分)に基づく延長登録を受けた特許権の効力が論点となったところ、本大合議判決は、存続期間が延長された特許権の効力は、政令処分の対象となった物と同一の物のみならず、これと実質同一なものにも及ぶ、また、政令処分で定められた構成中に対象製品と異なる部分が存する場合でも、当該部分が僅かな差異又は全体的にみて形式的な差異にすぎないときは、対象製品は政令処分対象物と実質同一なものに含まれ、延長された特許権の効力の及ぶ範囲に属すると判示しました。本稿では当該大合議判決について解説します。

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