2020年03月27日
日本
特許・実用新案
判例紹介・解説
知財高裁大合議 「美容器」 事件の判決-特許法102条1項の争点について-
知財高裁の14件目の大合議事件となる平成31年(ネ)第10003号 特許権侵害差止等請求控訴事件につき、令和2年2月28日に判決がなされました。本事件の主な争点は、特許法102条1項に基づく損害額についてです。前回13件目の大合議事件である平成30年(ネ)第10063号 特許権侵害差止等請求控訴事件では、特許法102条2項及び3項の解釈が争点となったのに対し、本判決では主に、特許法102条1項の解釈が争点となりました。本判決において、知財高裁は、所定の「単位数量当たりの利益の額」とは、「・・・限界利益の額であり、その主張立証責任は・・・特許権者側にある」こと、そして、「特許発明を実施した特許権者の製品において、特許発明の特徴部分がその一部分にすぎない場合であっても、・・・限界利益の全額が特許権者の逸失利益となることが事実上推定される」ことを判示しました。これによって、特許法102条1項の解釈に関しても、いわゆる「寄与率(寄与度)」の考え方を否定するとともに、これまで寄与率として考慮されていた事情については、「推定覆滅事由」として侵害者側が主張立証責任を負う事項であることを明確にしました。本稿では、本判決の概要を紹介します。
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